“二人乗るのには狭いんじゃない?”
“無理でしょ?”
そんな言葉を知ってか知らずかぼくはシクロのシート幅を広げた。
最近思う、ダメな状況ならどうする?
・・・こんな考えを忘れていませんか?
ぼくはダメだと思った瞬間、なんだってダメにしか方向は向かないと思うんです。
“ウエディングドレスの後ろ長いけど・・・”
シクロを見てないからではあるけど、花嫁さんまでが無理では?と・・・
(花嫁さん怒らないでね)
仮に長ければどうするか?仮に狭ければどうするか?
実情を知ってる知ってないではなく、
創意工夫を忘れて、保守的になってしまったとき生み出されるのはどれだけのも?
ぼくは成功だけを頭に浮かべます、
スマートにいかなかったとしても、なんとしてでも帳尻を合わせます。
そしてなんとしてでも笑顔を生み出します。
それしかぼくにはできないんです・・・
・・・友人夫妻は時間がぎりぎりとのこと、
シクロに乗って三宮を回るのはやめようと言ってきました。
悪いという意味ではなく、ばたばたしている式の前なんてこんなもんかもしれません・・・、
ぼくは写真を撮ってもらう予定だった友人に連絡し三宮を回らないことを伝えました。
なんて無力なんだろう・・・
きっと喜んでもらえるだろう、きっと素晴らしいひとときになるはず・・・
ぼくの気持ちの中でどれだけ創造が増幅したところで、
結局は相手の心を打てるかだと思った。
お前が言うなら大丈夫、お前がやることならきっと楽しませてくれるはず。
ぼくの言葉には、タイトな時間で気持ちが焦ってしまっている二人の心に入りこめるほどのオーラはなかった・・・。
ただそれだけでしかなかったと思う。
もしそうでなかったとしても、
どんなことよりも高い優先順位を得れるぐらいにならねばと・・・。
・・写真だけでも撮ろうとなって二人はシクロに、
ちょっとだけということで道を走る、
すぐに戻れるからとなんとか国際会館まで。
通りすがりの人が手を振ってくれる、窓を開けて“おめでとう!”と言ってくれる女の子。
見ず知らずの人から二人への祝福・・・。
同じ時間に身を置けたことへの感謝、
強引だったけど走り出してほんとによかった。
ただただそれだけでぼく自身も涙の込み上げる思い。
シクロウェディング(動画あり)をあらたなムーブメントにしていけるように、どんな場面でも人の心を打てるように・・・